見えない敵:隣国から波及した混乱に思いを寄せて

昨日に引き続き、まるで春が来たかのような陽気でした。

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、生活圏はなんら変わりがないように見えます。ただ、マスクが品薄・品切れ状態になっていたり、気持ちマスク着用者が多いような気がします。中国では、自動車等の生産工程がストップしているということで、そうした影響は、そのうち私の近くにも現れてくるかもしれません。マスク以外の何かが品薄になったり、それに伴って何かの価格が上がったりというように。また、私の生活圏は平穏に見えても、先日、中国から大型船舶で何千人もの中国人が福岡に上陸するなど、決して無関係な出来事ではありません。

こうしたことを目の前にして考えるとやはり、慌ただしく深刻な状況にある武漢やダイヤモンドプリンセス号と私は「同じ線の上に生きている」ということを多少なりとも実感せざるを得ません。

新型コロナウイルスは、「新型」ということで花粉症やインフルエンザのように特効薬がないことが不安の原因の一つでしょう。ウイルスのように「見えない敵」は、人々の不安を「過剰に」煽り、そうした事態は、「パニック」や「差別」となって人間社会に暗い影を落としているように見えます。

武漢の人々のパニックを見て、単に「恥ずかしい」「見苦しい」「情けない」というような否定的な感情を一瞬覚えてしまうものの、ふと我に帰り思うのです。「自分が同じ立場・状況に直面したら、冷静でいられるか」と。

そのように想像力を働かせると、「単純で反射的かつ粗雑な感情」は、たちまち「冷静かつ客観的な共感・理解」へと変化するように思います。

こうしてあらゆる事象に「自分を当てはめて」考えるという思考の大切さは言うまでもないでしょう。

たしかに新型コロナウイルスは怖いですが、本当に怖いのは「理性があるのに、それを蔑ろにして感情の赴くままに行動する人間」かもしれません。

皮肉にも、新型コロナウイルスという「見えない敵」は最も身近な(私たち1人1人に内在する)「見えない敵」を「見える化」しているようです。

 

さて、今日はバレンタインデー。チョコレートをめぐってドキドキした淡い青春の日々も日に日に遠い過去となっています。

目まぐるしく変化し、ここで触れたこと以外にも無数に不幸なことが存在・散在している世の中ですが、今日ぐらいは、全員にとってそこにチョコレートがなくても、甘く幸せな日であってほしいものです。

 

最終更新日 2020.2.20