ニューノーマル(新常態)と1945

写真は、昨日美しいと思い撮影した、「風」に揺れる稲である。まるで、緑の海、まさに海原であった。今、世の中には風が吹き、私たちは其々の揺れ方で揺れている。 新型コロナウイルスが、近い将来インフルエンザのような立ち位置に落ち着くのか、風のような…

『風立ちぬ』視聴後記:困難な時代を清く逞しく生きた若き男女の短くも素朴な「幸せの日々」

『風立ちぬ』を視聴した。映画でこんなに泣いたのははじめてかもしれない。私の心に風は吹いているのだろうか。これからの10年、どう生きるか。君の10年はどうだったかと訊かれて、力の限り生きたと答えることができるのか。いつの時代も健やかな者は力の限…

『耳をすませば』視聴後記:何者でもない自分との葛藤と青春の日々

(写真は夏真っ盛りに筆者撮影。夏空とうすいくもと、小高い丘の住宅のバランスが美しい。)耳をすませばを視聴。なんでもっと早くこの作品と出会わなかったのだろう。1994年を舞台にした作品。私の生まれる4年前の日本。少し都会だ。なんだか懐かしい街が舞台…

postコロナに向けて:ラッセル幸福論における「退屈」を中心に

(写真は筆者撮影のアマビエ、諫早神社にて。アマビエは、疫病退散に力を発揮すると言われている妖怪である。) コロナ禍というのは、多くの人にとって『ラッセル幸福論』がいうところの、「退屈」な日々である。そして、人々は「退屈を恐れる」らしい。 ラッ…

風の谷のナウシカ視聴後記:愛されるとは愛すること。そして、自然と共に生きるということ。

風の谷のナウシカを視聴した。こちらも、スッキリとした構成ながら、力強いメッセージの籠められた物語だった。 「自然に愛される者とは、自然を愛する者である」ということを見せつけられ、全ての者は魅せられた。ナウシカのテトとの出会いは、まさに「閉ざ…

「今この瞬間の幸せ」を考える

若い皆さんは、言われたことがありませんか。「将来のために、今頑張ろう」って。 ふざけんじゃないよ。「今」「今」「今」でしょう。「今」この瞬間こそが「確かな時間」なんですよ。 何十年も長く生きた人間は、「今が頑張り時」と言いますが、若い私たち…

就活を終えて

私は、慣れてしまえば面接は緊張しないし、受け答えも大体のことは対応できるし、得意な方だと思う。そして、これは、日頃から色々考えていることが前提だと思う。そして、その「きっかけ」「場」の大半が読書だと思う。私は生きていて疲れるタイプかもしれ…

先輩、松本零士の銀河鉄道999:魂の美しさを追い求めて

中々ブログの執筆が進んでおりませんが、そろそろアウトプットをしないといけないなぁと思い始めてます。 なので、最近感銘を受けた銀河鉄道999について、簡単に書きます。 作者である松本零士先生は、高校の先輩にあたります。 母校は、学校行事のたびにゴ…

人生は極めて変数の多い函数であるという認識から話を始めたい。

人生で未だかつてない程、うじうじと鬱々とただ慣性に身をゆだねるようにして日常を垂れ流しにしているここ数か月であるが、その一方で多くのことを考えてきたように思う。 日常を垂れ流すことも、罪なことかもしれないし、日々の思考を垂れ流すのも罪なこと…

自信のない時は『魔女の宅急便』

恋愛というか友情というか。ハウルの動く城を見た後だから、思うが、キキも、ソフィーと同様、純粋無垢で優しい女性だ。自分に自信がなかったところも似ている。色々な人と関わる中で、自らの魅力に気付かされていき、自信を取り戻す。最終的には、「友」の命…

人生嫌になったらハウルの動く城を見れば良いと思う

なんて美しく儚い物語なのだろう。小さい頃に初めて見て、それから何度か見ているはずなのに、こんなに心を打たれて、目が潤んだのは初めてだ。ハウルとソフィーという、2人の純粋無垢な男女の純愛を軸に描かれた物語だが、そのメッセージは、愛だけではなか…

22回目の誕生日を迎えて

22歳になりましたが、改めて、ここまで育ててくれた親、そして大学まで含めた恩師と友人、あらゆる支援者に感謝を申し上げたい。本当に弱く未熟な私は、あらゆる苦難に直面しては、必ず誰かの助けを得て立ち直ってきたことを忘れていません。今、連絡をとっ…

Trump’s “America first” energy policy, contingency and the reconfiguration of the global energy order, FaridGuliyev, 2020を読んで

画像の出所: https://toyokeizai.net/articles/amp/344411?display=b&amp_event=read-body 1.2つの偶然 トランプ陣営の新重商主義と、自国優先主義が世界のエネルギー体制に大きな変革もたらしている。背景にあるのは予想できない偶然性。その1つがトラン…

大島堅一(2011)『原発のコスト』岩波新書を読んで:大切なことは何か

はじめに 内容の振り返り 当事者として国の政策を疑う 本書の全体像 被害の捉え方と本質 被害の補償における費用負担の問題点:私たち1人1人の問題として考える 「原発のコスト」をどう考えるべきか 元凶としての「原子力村」 「脱原発」と「再生可能エネル…

今こそ『自動車の社会的費用』を。

宇沢弘文(1974)『自動車の社会的費用』岩波新書の簡単な感想を以下に記しておきたい。 この本にある経済学的な思考は誰にでも備わっているべきである。我々は、社会的な価値判断を前提として生きている。しかし、その社会的価値判断は一度下されると、再び検…

A・O・ハーシュマン著/矢野修一訳『離脱・発言・忠誠』を読んで

アメリカの著名な経済学者ハーシュマンによる古典的名著である。 まず、離脱、発言、忠誠という本書の基本的な概念について、私なりに簡単に解説しておきたい。 離脱は、exitのことである。つまり、ある組織のメンバーが、組織の衰退に際して、その組織から…

見えない敵:隣国から波及した混乱に思いを寄せて

昨日に引き続き、まるで春が来たかのような陽気でした。 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、生活圏はなんら変わりがないように見えます。ただ、マスクが品薄・品切れ状態になっていたり、気持ちマスク着用者が多いような気がします。中国では、自動車等の…

生きる上での「確かさ」と「幸せ」NHKスペシャル「認知症の第一人者が認知症になった」によせて

ついつい見入ってしまった。(番組についてはこちらのURLから http://www6.nhk.or.jp/special/sp/detail/index.html?aid=20200111#) 素晴らしい番組でした。高齢化社会、より身近になるであろう認知症。ただ、それ以上に人の生きる意味や、長谷川先生が仰って…

職業選択~好きと得意を一致させることの重要性~

この記事は先日のツイート(https://twitter.com/ecological0508/status/1212937359999635459?s=19)を、再掲し、編集しやすくしたものです。 ーーーーーー 職業選択をする上で結果的に満足するには、向いてるかどうかじゃなくて、好きかどうかを基準にするこ…

インスタグラムの功罪と理想のインスタグラマー像~素人男子学生的視点からの考察~

はじめに インスタグラム(以下Instagram)が普及して、5年は経ったのだろうか。私がInstagramを始めたのは2017年だから、比較的遅い方かもしれない。今ではTwitterと並び、生活にすっかり入り込んだInstagramであるが、TwitterやLINEとは色々と異なるSNSだ。 …

読書と本屋と本と私~平凡な学部生による読書生活のススメ~

写真は私の本棚(2020.3月頃のものに更新しました)。 中古だろうが、新品だろうが、ある程度の余裕があればやっぱり本は買って読むべきだと思う。電子書籍は、仕事を効率化しても、読書生活を効率化することはない。 齋藤孝先生の『読書力』という本は、私の…

進歩ジウム?!シンポジウム大学改革の潮流と下関市立大学の将来を終えて~ステークホルダーの持つべき視点~

写真は、ある日の教室(筆者撮影)。 シンポジウムは、16時30分から18時30分の予定だったが、長引いて19時を少し過ぎた辺りで閉会した。学生からも質疑応答の出鼻に指摘がなされたように、みんなで語ろう、というようなテーマが掲げられたものの、大半が基調公…

眉間にシワ

この歳になって、色々な感覚が研ぎ澄まされてきたなぁと感じることがあります。 食に関しては、風味だけじゃなく、食感を楽しめるようになったりですね笑。 あと、だいぶ抽象的ですが、これまで面白かったことが面白くなくなったり、これまで面白くなかった…

インバウンドを問い直す

はじめに 12月7日に、京都大学紫蘭館にて、高崎経済大学さん、大分大学さんと3大学合同ゼミをさせて頂きました。 京都へは、6年ぶりぐらいに行きました。この約6年、京都も様々な所が大きく変わったのかもしれません。 本稿では、少なからず変わったであ…

素人男子大学生による古典派音楽のススメ

クラシックとは 想像しやすいのは、ベートーベンやバッハ、チャイコフスキーといった音楽家の音楽。 基本的には、書物の古典と同じく、古典的な価値のある、つまり“時の試練”に耐え抜いた、“時代を越えて愛される”音楽と言って良いだろう。 それらは、“伝統…

小学校の卒業式に参加して考えたこと-学校という小さな世界における平等とは、少数派とは

昨日は、小学六年生の弟の卒業式に参加させて頂いた。 午前中から雨天が心配されたが、見事な晴天に恵まれた。卒業式は午前中で終わり、午後からは天気が一気に下り坂となった。こうして、午前中の晴天は余計に有り難く感じられるのであったが、ただ一つ、不…

環境と信仰

この世の中で、環境問題が起こることは経済学的には当然のことである。 私有地を除いた、海や山、川、インフラは全て公共財であるため、誰もが無料で好きなだけ利用できるから当然なのである。 公共の場所は、ゴミが捨てられ、乱雑に扱われ、行政が努力しな…

ナルシズムがもたらす社会への好影響

ナルシズムが良いものとして語られることは、少ないのではないだろうか。 しかし、ナルシズムを適切に、教育の中に取り入れることで、自分を大切にできる人間を育てることができると考えている。 自分が大切にできる人間は、自らの命を断とうとはしない。ま…