読書と本屋と本と私~平凡な学部生による読書生活のススメ~
写真は私の本棚(2020.3月頃のものに更新しました)。
中古だろうが、新品だろうが、ある程度の余裕があればやっぱり本は買って読むべきだと思う。電子書籍は、仕事を効率化しても、読書生活を効率化することはない。
齋藤孝先生の『読書力』という本は、私の読書生活に最も影響を与えた本だ。最初の1冊にもオススメである。
今年も沢山の本を買った。ほぼBOOK・OFFでの購入だ。どうでも良い話だが、気になる時は、本のカバーを入念にウェットティッシュで拭いている。
本は、使いよう、考えようによってはコスパの良い情報源・ツールだが、決して安くないと感じる。
率直に、私の可処分所得からすれば高い。
勿論、見ず知らずの人が使った本より新品が欲しい。ただ、中古には中古の良さがあったりする。あまり出回ってない本だったりすると嬉しい。基本的に書き込み有りの本は買わないようにしているが、それでも、読んでいて書き込みに出くわすことがある。私はあまり好きじゃないが、前の所有者が、どこをどのように読み、どう感じたのか、想像する際にヒントになるというのも中古ならではだろう。
まぁ、安さが圧倒的な魅力なのは自明。
私は、暇さえあれば書店に足を運ぶ。長いときで、二時間近く本棚に囲まれて過ごす。
もっとも、二時間近く居てしまうような本屋は少ない。良い本屋は、当たり前だが、蔵書数が多い。また、清潔で落ち着ける雰囲気や、整理されていて目的の本に辿り着きやすいというポイントも兼ね備えていて欲しい。ランキング形式で本を並べたり、手書きコメントをつけるなど、店員による一工夫も見所だ。
まちにひとつは、以上のようなポイントを備えた本屋が欲しい。
「本屋さん」というより、「書店」という感じ。書店という感じの書店がいい。
何か、アカデミックな雰囲気、荘厳な雰囲気の本屋が少ない気がする。雑誌や漫画の充実した、楽しい雰囲気の本屋もあっていいけど、やっぱり、読書はそんな生易しい営みじゃないと思うと、本屋の雰囲気もそれっぽくあって欲しい。店を訪れた人の、知的好奇心を呼び覚ますような本屋こそ、私の思う「書店」だ。
BGMは、ゆったりとしたクラシックが良い。ワーグナーとかドヴォルザークとか(クラシックについても記事を書いてるので良かったらご覧下さい)。
アカデミックな本屋さんは、本当に楽しい。こんなの買う人いる?!って感じの分厚い歴史書や専門書もある。そんなニッチなニーズにもきっちり答える本屋が良い。売れない本は置かないのでは味がない。
近年、活字離れに、電子書籍の登場による紙離れというように、出版業界は厳しさを増しているようだが、そんないまこそ、紙の書籍の良さを、どう見せるかが問われていると思う。わかりやすい紙の書籍の利点を、いくつか上げれば、解像度(画質)が良い、バッテリーを気にしなくて良い、適切に扱えば半永久的に読めるなどがあるだろう。
私は、曲がりなりにも読書が生活の一部にあって、本屋で本を買うことも日常である。ノンフィクション信者である。シェークスピアや、ドストエフスキー、森鴎外、太宰治といった方々の文学の道を通っていない。これは地味にコンプレックスだ。そんなこともあって、『銀の匙』や『坊っちゃん』、『三四郎』を読んでみた。やっぱり良いものは良い。小説の良いところは、情景描写から登場人物まで、何から何まで想像力を働かせて読む楽しさと、それによって想像力、表現力、感性が養われるところだ。語彙力ももちろん養われる。
薄々気づいていたが、ただ単純に沢山本を読めば、頭が良くなるということはなさそうである。大切なのは、本との関わりかたで、積極的な程、知識は頭に浸透するし、「考える力」や習慣が養われる。
ある古本屋の壁には、「読書によって、物知りにはなっても、頭脳は明晰にならない」そんな旨の貼り紙があった。筆で書かれた力強い字だった。
ただ、矛盾するような話だが、読書をするようになって、先述の『読書力』の中にあったように、「思考するための材料としての言葉」が増えたことで、より思考が精密で豊かになったように思う。
私は、楽しむためだけではなく、思考するため、思索して何か面白いことを生み出すために読書をしている。
本なんて図書の時間に仕方なく借りて読んだ記憶しかないとか、漫画しか読めないなんて人々が読書家になるまでに、色んなハードルがあるのではないか。そして、そのハードルは考え方を変えたり、工夫をすることで越えられるものなのではないか。そんな風に、最近思った。
例えば、「本は最後まで読まないといけない」という固定観念に縛られていないか。私は5冊買って、最後まで読みきる本が2冊でも良いと思っている。一番良くないのは、勝手に読書のハードルを上げて、本を買わずに全く本を読まないことだ。
一冊の本を最後まで読みきれない自分を責める必要はない。読書をしない人の中に、このような生真面目な人がいるのではないか。たしかに最低限の忍耐力はいるかもしれないが、読みきれないのは、その本がつまらないか、自分の関心とあっていない本だと思えば良い。実際にそうであることが多いだろう。
どんどん本を買って、どんどん本棚を満たせば良い。ただ、立ち読みして買って、結局読まずにいた本も本棚に並べてあったら、いつか読むことがあるかもしれない。
本を買って本棚に並べておくというのも、また読書生活に欠かせない営みで、「本との縁を結ぶこと」でもあると思う。
本が増えていくと、自分がどんな分野に関心があるのかわかってくる。
好きなように本を並べると良い。縁を結んだ本が、貴方を救ってくれる日が来るかもしれない。
本棚は、暖かみのあるデザインか、荘厳なデザインが良い。木が良い。
本の芳ばしい香りが漂う書斎。多くはのぞまないから、将来ぜひとも持ちたい。
本の選び方だが、基本的に、題名、目次、著者プロフィールの3つを重視している。
あと、見るのはその本が何刷かだ。言うなれば、どれだけ売れている本なのかが、そこを見れば一目瞭然である。出版社も大切だ。
新書であれば、岩波文庫、中公文庫を信頼しているし、好んでいる。社会科学系の本であれば、有斐閣や、日本評論社、ミネルヴァ書房などだ。
それぞれの出版社に、それぞれの歴史や背景、ポリシーがある。
そんなところにも想いを馳せて、ぜひ読書生活を初めてはいかがだろうか。
ちなみに、私は常に何冊かは本を所持して外出するようにしている。いつでもどこでも本を開けばできるのが読書である。
まとまりのない文章になったが、平凡極まりない大学生が、読書について書いてみた。
これを見て、少しでも本屋に行きたい、読書をしたいと思ってくだされば嬉しい。